廿日市市郷土文化研究会 本文へジャンプ郷文研《別室》―歴史の用語を知る―
藤沢周平関連
「三屋清左衛門残日録」について 三屋清左衛門残日録の世界から  三屋清左衛門残日録の用語録 参考
文献
 

「三屋清左衛門残日録」について
 主人公の三屋清左衛門は、前藩主の用人(ようにん)を勤め上げたので所謂勝ち組であろう。反面、目次「零落」(れいらく…落ちぶれること P71)に登場する金井奥之助は負け組である。 

「三屋清左衛門残日録」の世界から
 藤沢周平三屋清左衛門残日録」の舞台は特定されているわけではない。
しかし、作者は山形県鶴岡市の出ゆえ、モチーフを東北の日本海に面した庄内藩を舞台に求めた可能性は否定できないと思われる。文中の「はたはた」の馳走などは、西国では馴染みの無いものであるし、また、目次「ならず者1」P241『支藩の松原城下』の支藩松原は、庄内藩支藩の(出羽)松山藩に近似しているなどがその根拠である。「三屋清左衛門残日録」は、あくまでも虚構の上に成り立つ時代小説である。しかしそこには、文面から(かも)し出される武士の世界、武士の生き様(ことに老後の生き方)に思いを巡らすと、平成の世に生きる現代人に訴えかけてくるものがあるような気がする。・・・・・・・                      
 舞台を「庄内藩」に仮定し、これから清左衛門が生きてきた庄内の歴史的興味を掘り下げていきたい。
 海・山に恵まれた廿日市と似たところがあってなぜか共感を覚える地なのである。
尚、別項にて、「三屋清左衛門残日録」内の難解な漢字の読み方・ことばの意味等の「用語録」を作成し、「残日録」の世界を享受し易くなるよう試みている。

「三屋清左衛門残日録」の用語録

「三屋清左衛門残日録」では、前藩主の用人を務めたのち、隠居生活に入るが、・ (PDFファイル)

  

【参考文献】
「底本」・三屋清左衛門残日録藤沢周平 文春文庫 二〇〇七年第三七刷 定価(本体五九〇円+税)
(PDFファイル)